【鉄オタ】「出発進行」だけじゃないんだよ!【小ネタ】
「鉄オタ」ネタの第一弾です。今回は「出発進行」の本当の意味です。
これを説明するには、まず、鉄道の信号機から説明しないとダメですね。
「出発進行」と言えば、この番組か・・・
鉄道の信号機の種類
鉄道の信号機には、沢山の種類があるので、全て説明すると一冊の本になってしまいます。なので、地上に建つ中で主要な信号機を五つ説明します。
注)厳密な説明ではありません。かなり簡略化しています。
- 場内信号機・・・駅(停車場)の入口に建ち、駅への進入を制御します
- 出発信号機・・・停車位置の先頭付近に建ち、駅からの出ることを制御します
- 閉塞信号機・・・駅(停車場)と駅の間に建ち、列車が追突しないように制御します。
- 入換信号機・・・駅(停車場)の中で「入換運転」する場合に使う信号機です
- 中継信号機・・・場内信号機・出発信号機・閉塞信号機が規定の距離(手前)から見えない場合に設置する信号機
鉄道の信号機の表示(現示)
場内信号機・出発信号機・閉塞信号機については、道路の信号機と同様に、赤・青・黄の3色の電灯で表示するのがほとんどです。
ただ、道路の信号機と違って、3つの電灯とは限りません。以下の種類があります。
- 2灯式・・・「青・赤」または「黄・赤」の組み合わせ
- 3灯式・・・「青・黄・赤」
- 4灯式・・・「黄・青・赤・黄」または「青・黄・赤・黄」
- 5灯式・・・「黄・黄・赤・黄・青」
なぜ、4つ以上の表示があるかというと、「進め」「注意」「止まれ」以外の表示もあるからです。全ての意味をまとめます。
注)これも分かりやすくするため、厳密な説明ではない
- 「進行」(青のみ点灯)・・・この信号機の先へ、許される最高速度で進んでもよい
- 「減速」(青と黄が一つ点灯)・・・指定の速度(50 km/h-95 km/h:各社規定がある)に減速すれば、この信号機の先へ進んでもよい。
- 「注意」(黄が一つのみ点灯)・・・指定の速度(40 km/h - 65 km/h:各社規定がある)に減速すれば、この信号機の先へ進んでもよい。
- 「警戒」(黄が二つ点灯)・・・指定の速度(原則25 km/h:各社規定がある)に減速すれば、この信号機の先へ進んでもよい。
- 「停止」(赤のみ点灯)・・・この信号機の手前で停止しなければならない
「出発進行」の本当の意味
これで「出発進行」の本当の意味が説明できます。
列車の運転手が言っている「出発進行」は、2つの言葉「出発」と「進行」に分かれます。つまり、「出発(信号機)」は「進行(を表示)」という「確認」を、口に出しているわけです。
なので、他の組み合わせ(例えば「出発警戒」「出発注意」「出発減速」や「場内進行」など)もあります。
誤解されている「出発進行」
「出発進行」の本来の意味は、ここまでに書いた通りなのですが、鉄道用語の「出発」や「進行」の意味を知らない人が、「出発進行」を「列車出発の際の合図」であると誤解したと推測できる事例がありますね。というか、現在では、この誤用がほぼ定着しており、物事を開始する、あるいは開始せよ、というような意味でしばしば使われてますね。致し方ないとは思いますが。
ちなみに、本当の「列車出発の際の合図」は「発車」です。
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「誤用」を定着させたのは、この偉大な番組かなあ・・・