【政治】財務省とマスコミの「国の借金」論に騙されるな【経済】
まず、この記事から見てください。
国債と借入金、政府短期証券の残高を合計したいわゆる「国の借金」が2020年3月末時点で1114兆5400億円となり、過去最大を更新した。
本当は「国債と借入金、政府短期証券の残高」は、「国民の借金」ではありません。財務省とマスコミが、国民を「イメージ操作」するために「国の借金」と言っているだけです。
では、「国債と借入金、政府短期証券の残高」は、いったい何なんでしょうか?解き明かして行きたいと思います。
- いったい「国債と借入金、政府短期証券の残高」は何?
- 日本政府は誰から借金しているのか?
- 「デフォルト(債務不履行)」とは
- こんなに借金しても問題ないのか?
- では、国際社会は日本政府の債務を、どう考えているか?
いったい「国債と借入金、政府短期証券の残高」は何?
いきなり答えから行きます。
「国債と借入金、政府短期証券の残高」は「政府債務」といいます。つまり「日本政府の借金」です。「国民の借金」ではありません。
日本政府は誰から借金しているのか?
では、日本政府は誰から借金しているのでしょうか?
財務省のサイトで公開されている 「国債と借入金、政府短期証券の残高」(令和元年12月末の速報値)の資料です。
https://www.mof.go.jp/jgbs/reference/appendix/breakdown.pdf
3ヶ月ほど差があるので、値に少し差がありますが、問題ない範囲だと思います。一番右の円グラフを見てください。
国債等の最大の保有者は、日本銀行(日銀)です。続いて「金融機関」(銀行等・生保等・損保等)です。
日本銀行(日銀)の資金源はなんでしょうか?「円」を発行できるので、それですね。
「金融機関」の資金源は?預金や保険の掛け金ですよね。なので、お金の出所は、基本的に家計や「金融機関」以外の企業会計だと考えます。
つまり、家計や企業が日本政府に金を貸しているということです。
「デフォルト(債務不履行)」とは
債務者(債権者に対して金銭を払う義務のある人)が、破綻や金融危機などの理由によってその債務の支払いが不可能になってしまうことを「デフォルト(債務不履行)」といいます。最近も、アルゼンチンがデフォルトしました。日本が、デフォルトする可能性はあるのでしょうか?
日本は、過去一回だけ「デフォルト」したことがあります。実は政府軌間の「デフォルト」には2種類あります。「対外債務のデフォルト」と「国内債務のデフォルト」です。
日本は、敗戦直後の1946年~1952年に、旧円⇒新円への切り替えと、預金封鎖が行われました。預金の引き出しは、一ヶ月に世帯主300円、その他家族は100円に制限されまた。終戦と同時に、戦時中に発行された国債の償還、終戦に伴う兵士達への恩給などを賄う為、大量に紙幣増発をした為に起きた超高インフレ対策として実施されました。
こんなに借金しても問題ないのか?
日本政府が発行している「国債と借入金、政府短期証券」は、日本円建てです。その前提で、次の記事を見てください。
政府が「放漫財政」にどっぷり浸かったとしても、金融市場では国債の買い手がつかないので、高利回りにしないと発行できない。強行すれば国債相場は急落し、金利は高騰するので、発行主体としては割に合わない。
(中略)
日本と欧州の場合、国債金利はゼロ%以下だ。ということは国債需要が供給を上回っている。その場合、国債を追加発行しても低金利の国債に買い手がつくはずだ。国際的な信用の高い決済通貨を発行する中央銀行は自国の国債を買い上げることができる。さらに金融市場による国債吸収能力を決めるのは、その国の民間部門のカネ、すなわち現預金量である。
つまり、円建てなので、日本銀行が国債を買い上げることが出来るし、個人や企業が宇事もできます。返済も日本円でできますということですね。
財務省のサイトで公開されている 「国債と借入金、政府短期証券の残高」(令和元年12月末の速報値)の資料をもう一度見てください。
https://www.mof.go.jp/jgbs/reference/appendix/breakdown.pdf
一番右の円グラフで、海外保有分(12.8%:144兆6754億円)が「日本政府の対外債務」です。最悪、これだけ返すことができれば、「対外債務のデフォルト」は発生しないことになります。
つまり、まだ問題はないと言えると思います。
では、国際社会は日本政府の債務を、どう考えているか?
「国債と借入金、政府短期証券の残高」のうち、海外保有分(12.8%:144兆6754億円)ですが、割合が少し増えてます。ということは、海外投資家が保有を増やしているということだと思います。
でも、国債金利はゼロ%以下なのに、投資妙味はあるのでしょうか。それでも投資するということは「リスク」は低いと考えているのではないかと、判断してます。