【中国】新型コロナウイルス(武漢肺炎)は、いつ見つかった【小ネタ】

新型コロナウイルス武漢肺炎)の発見時期について、こんな記事がありました。

www.zakzak.co.jp

さらに同時期、新型コロナウイルスに関する、中国側の隠蔽体質を暴露する新たな報道があった。

 英紙サンデー・タイムズが5日付で、独自の調査報道「発覚=コロナウイルスの7年間の軌跡、鉱山での死から武漢研究所まで」を発表したのだ。

 記事によると、中国雲南省の銅山の廃坑で2012年春、コウモリのふんを片付ける作業をした鉱夫6人が、39度以上の高熱を出し、重症肺炎になった。5人が呼吸困難に陥り、3人が死亡したという。

 武漢ウイルス研究所は、12年8月から13年7月まで、「コウモリ女(バット・ウーマン)」の異名を持つ石正麗氏らのチーム6人を雲南省に派遣し、現地調査を行った。分析と貯蔵を目的に、数千以上のコウモリのふんのサンプルを採取し、武漢に送った。

 石氏は16年2月に発表した報告書に、「SARS(重症急性呼吸器症候群)に似たコロナウイルスの新種を『RaBtCoV/4991』と命名した」と記した。ただ、「鉱夫3人の死」には触れなかった。

キーワードは「RaBtCoV/4991」だよなあ~~ということで、検索したら、こんな英語記事がありました。長くなりますが、引用します。

「Coexistence of multiple coronaviruses in several bat colonies in an abandoned mineshaft

(「廃坑でのいくつかのコウモリのコロニーにおける複数のコロナウイルスの共存」)

Received Date: 01 January 2016
Accepted Date: 22 January 2016
Published Date: 18 February 2016

https://www.virosin.org/article/doi/10.1007/s12250-016-3713-9

Abstract
Since the 2002–2003 severe acute respiratory syndrome (SARS) outbreak prompted a search for the natural reservoir of the SARS coronavirus, numerous alpha- and betacoronaviruses have been discovered in bats around the world. Bats are likely the natural reservoir of alpha- and betacoronaviruses, and due to the rich diversity and global distribution of bats, the number of bat coronaviruses will likely increase. We conducted a surveillance of coronaviruses in bats in an abandoned mineshaft in Mojiang County, Yunnan Province, China, from 2012–2013. Six bat species were frequently detected in the cave: Rhinolophus sinicus, Rhinolophus affinis, Hipposideros pomona, Miniopterus schreibersii, Miniopterus fuliginosus, and Miniopterus fuscus. By sequencing PCR products of the coronavirus RNA-dependent RNA polymerase gene (RdRp), we found a high frequency of infection by a diverse group of coronaviruses in different bat species in the mineshaft. Sequenced partial RdRp fragments had 80%–99% nucleic acid sequence identity with well-characterized Alphacoronavirus species, including BtCoV HKU2, BtCoV HKU8, and BtCoV1, and unassigned species BtCoV HKU7 and BtCoV HKU10. Additionally, the surveillance identified two unclassified betacoronaviruses, one new strain of SARS-like coronavirus, and one potentially new betacoronavirus species. Furthermore, coronavirus co-infection was detected in all six bat species, a phenomenon that fosters recombination and promotes the emergence of novel virus strains. Our findings highlight the importance of bats as natural reservoirs of coronaviruses and the potentially zoonotic source of viral pathogens.

(中略)

Detection of CoVs in bats

Among the collected 276 fecal samples, 138(50%)were positive for coronavirus: 45.7%(37/81) in August and 74.7%(74/99) in September 2012, and 46.2%(24/52) in April and 6.8%(3/44) in July 2013. All six bat species showed high infection rates, from 35% to 73%(Table 1). R. sinicus, R. affinis, and M. schreibersii were observed to have the highest infection rates in September 2012. Due to the small sample size, it was not possible to accurately assess changes in the infection rate for H. pomona, M. fuliginosus, and M. fuscus.

From the 138 positive samples, 152 RdRp partial coronavirus sequences(approximately 400 bp)were obtained, indicating co-infections of two viruses. Two sequences(HiBtCoV/3740-2 and RaBtCoV/4991) were homologous to betacoronaviruses, all other 150 sequences were homologous to alphacoronaviruses, including the established bat coronavirus species BtCoV 1, BtCoV HKU2, and BtCoV HKU8, unassigned BtCoV HKU7 and BtCoV HKU10, and unclassified alphacorona-virus(Table 2, Figure 2). To better underst and the phylogenetic relationships between these bat coronaviruses, we selected 12 samples representing different branches of the tree and extended the sequence of the partial RdRp screening fragment to 816 bp(Figure 3). The partial RdRp sequences obtained in this study were submitted to GenBank under accession numbers KP876505 to KP876546 and KU343189 to KU343200.

同じ部分を、Google翻訳で日本語翻訳してみました。

概要
2002–2003年の重症急性呼吸器症候群SARS)の発生により、SARSコロナウイルスの天然の貯蔵所が探索されて以来、世界中のコウモリで多数のアルファおよびベータコロナウイルスが発見されています。コウモリは、アルファおよびベータコロナウイルスの自然な貯蔵所である可能性が高く、コウモリの豊富な多様性と世界的な分布により、コウモリコロナウイルスの数は増加する可能性があります。 2012年から2013年まで、中国雲南省茂江県の廃坑でコウモリのコロナウイルスの監視を実施しました。 6つのコウモリ種が洞窟で頻繁に検出されました:Rhinolophus sinicus、Rhinolophus affinis、Hipposideros pomona、Miniopterus schreibersii、Miniopterus fuliginosus、およびMiniopterus fuscus。コロナウイルスRNA依存性RNAポリメラーゼ遺伝子(RdRp)のPCR産物をシーケンシングすることにより、鉱山の異なるコウモリ種のコロナウイルスの多様なグループによる高頻度の感染を発見しました。シーケンスされた部分RdRpフラグメントは、BtCoV HKU2、BtCoV HKU8、およびBtCoV1を含む十分に特徴付けられたアルファコロナウイルス種、および割り当てられていない種BtCoV HKU7およびBtCoV HKU10と80%〜99%の核酸配列同一性を示しました。さらに、サーベイランスでは、2つの未分類のベータコロナウイルスSARSのようなコロナウイルスの1つの新株、および1つの潜在的に新しいベータコロナウイルス種を特定しました。さらに、コロナウイルスの共感染は、6種類のコウモリすべてで検出されました。これは、組換えを促進し、新しいウイルス株の出現を促進する現象です。私たちの調査結果は、コロナウイルスの自然のリザーバーとしてのコウモリの重要性と、ウイルス性病原体の人畜共通感染の可能性のある原因を強調しています。

(中略)
コウモリのCoVの検出
収集された276の糞便サンプルのうち、138(50%)はコロナウイルス陽性でした:8月に45.7%(37/81)、2012年9月に74.7%(74/99)、4月に46.2%(24/52)、6.8 2013年7月の%(3/44)。6種すべてのコウモリが35%から73%までの高い感染率を示しました(表1)。 R. sinicus、R。affinis、およびM. schreibersiiは、2012年9月に感染率が最も高いことが観察されました。サンプルサイズが小さいため、H。pomona、M。の感染率の変化を正確に評価できませんでした。 fuliginosus、およびM. fuscus。

138の陽性サンプルから152 RdRp部分コロナウイルスシーケンス(約400 bp)が得られ、2つのウイルスの同時感染を示しています。 2つのシーケンス(HiBtCoV / 3740-2およびRaBtCoV / 4991)は、ベータコロナウイルスと相同であり、他の150シーケンスは、確立されたコウモリコロナウイルス種BtCoV 1、BtCoV HKU2、およびBtCoV HKU8、割り当てられていないBtCoV HKU7、BtCoV HKU10とアルファコロナウイルスと相同でした。および未分類のアルファコロナウイルス(表2、図2)。これらのコウモリコロナウイルス間の系統的関係をよりよく理解するために、木の異なる枝を表す12のサンプルを選択し、部分的なRdRpスクリーニングフラグメントのシーケンスを816 bpに拡張しました(図3)。この研究で得られた部分的なRdRpシーケンスは、アクセッション番号KP876505からKP876546およびKU343189からKU343200でGenBankに提出されました。

「石氏は16年2月に発表した報告書に、「SARS(重症急性呼吸器症候群)に似たコロナウイルスの新種を『RaBtCoV/4991』と命名した」と記した。」というのは、事実のようですね。

なんか、また新型コロナ(武漢肺炎)が、武漢の研究所が発端となった可能性が高くなった気がします。

 

【インターネット】使いそうなFirefoxの「about:config」の設定【小ネタ】

使いそうなFirefoxの「about:config」の設定をまとめました。自分向けのメモみたいな記事です。

※2020/07/09 書きかけ記事を公開してしまったため、記事を差し替えます。

キャッシュに関する設定

ディスクキャッシュを使用しない

browser.cache.disk.enable → false

メモリキャシュに保存したほうが、処理が早くなります。ただ、メモリの利用状況と相談して判断してください。

メモリキャッシュを有効にする

browser.cache.memory.enable → true

この項目は最初から有効になっているはずですが、念のため確認します。

メモリキャッシュの量を変更する

browser.cache.memory.capacity

-1を設定することでFireFoxで勝手に数値を決めてくれますが、その容量があまりにも少ないです。なので、設定を変更します。 RAM容量と設定値は以下を参照し、自分の環境にあった設定をしてください。

PCのRAM容量 設定値
1GB 36864
2GB 73728
4GB 147456
8GB 233016

更新頻度の設定

browser.cache.check_doc_frequency → 0

タブがアクティブにならない限り更新しないようにします。

キャッシュの保存先を変更

browser.cache.disk.parent_directory → 保存したいフォルダを指定

メモリをRAMディスク化して保存先を指定するのが基本です。

ネット接続関係の設定

接続数の最適化&パイプラインを有効化

network.http.pipelining → true
network.http.pipelining.ssl → true
network.http.proxy.pipelining → true

network.http.max-connections → 64

network.http.max-persistent-connections-per-proxy → 6

リンクの先読みを停止

network.prefetch-next → false

IPv6を使わないので無効化

network.dns.disableIPv6 → true

URL偽装対策

network.IDN_show_punycode → true

無駄な処理を無効化する

タブ移動時のアニメーションなど

browser.tabs.animate → false

browser.panorama.animate_zoom → false

位置情報通知機能を無効

geo.enabled → false

 

【軍事】こんな装備あるんですね【小ネタ】

昨日、ニュース記事を見ていたら、こんな情報がありました。今は自衛隊も、こんな装備があるんですね。

trafficnews.jp

陸路での救援においてメインとなるのが陸上自衛隊でその主要装備というと、小銃や機関銃、戦車や戦闘ヘリなど、戦闘行動を想定した武器が多いですが、そのなかで数少ない人命救助専用の装備「人命救助システム」が、今回の災害でも用いられています。「人命救助システム」は、様々な救助資機材をひとつのシェルターコンテナにユニット式でひとまとめにしたもので、エンジンカッターや削岩機、投光器といったものから、がれきの中を覗くためのファイバースコープやエアジャッキ、背負い式消火ポンプ、伸縮ハシゴ、折畳式リヤカー、そして担架や医療器具セット、簡易トイレなども含まれます。2020年現在は全国の駐屯地や部隊に配備されている「人命救助システム」ですが、誕生のきっかけは1995(平成7)年1月に起きた阪神淡路大震災でした。

(中略)

そののち、東日本大震災熊本地震などでの使用実績をフィードバックし、さらなる改良が加えられたのが「人命救助システムIII型」です。これは2018年ごろから部隊配備されている最新型で、基本構造は従来の人命救助システムII型とあまり変わっていないものの、積まれた各種資機材が新しいものになり、水害救助器材なども含まれるようになったのが特徴です。

また、近年では航空自衛隊においても「人命救助システム」の名称で配備が進められており、すでに主要な基地で運用されています。

ここ数日の「九州豪雨」のように、自衛隊災害派遣が増えているので、このような装備も重要度が増す気がします。ただ、予算不足が気になります。

 

 

 

 

 

 

 

 

【政治】自分が「左翼」を支持しない理由【パヨク】【エセリベラル】【小ネタ】

しばらく、オンラインゲームのイベントに嵌まっていて、記事を書いてませんでした。

簡単な小ネタで、復帰します。

自分が「左翼」を支持しない理由

まず、日本の「左翼」「リベラル」と呼ばれる人々は、本来の意味での「左翼」「リベラル」ではありません。

「左翼」「リベラル」の本来の意味

ja.wikipedia.org

左翼右翼」という構図は、範囲が広く、複雑な疑問への説明である。左翼と右翼は、通常は両端の対立勢力である。しかし実際には、個々の個人や政党が1つの事柄を行う立場としても「左」や「右」との用語が使われる。

(中略)

「左翼・右翼」の用語は、フランス革命時の議会の座席に由来する。正確には1789年9月11日からの数年間、勢力は情勢に応じて激しく入れ替わったが、「議長席から見て左側には常に急進派、右側には常に保守派が座る」というルールは定着して変わらず、その後200年に渡って世界の各国で繰り返されるパターンがこの数年で出尽くしたため、一種の普遍的なモデル性を帯び、「左翼・右翼」が普遍的な用語として定着した[9]

つまり、「右翼」「左翼」とも、国民のことを考えての行動だったはずです。

ja.wikipedia.org

「リベラル」とは、リベラリズム自由主義)やリベラリスト自由主義者)を指す用語である。

「リベラル」には、歴史的に大きく以下の二つの潮流がある[5]

  1. 個人の自由多様性を尊重する「リベラル」。当初は「権力からの自由」を重視した。ジョン・スチュアート・ミルは『自由論』で、他人に危害を加えた場合のみ自由は制限される、と共存のルールを示した。アダム・スミスは経済活動に対する国家の介入を批判し「小さな政府」(レッセ・フェール)を説いた[5]
  2. 上記に対し、放任されれば本当に自由を享受できるのか、各人の自由な人生設計を可能にするため国家の支援が必要と考える「権力による自由」の発想。20世紀の先進諸国は社会保障福祉国家を整備した。代表的著作には理論家ジョン・ロールズの『ロールズ 政治哲学史講義』がある[5]

上記の二潮流は、英語では同じ単語(リベラル)だが、ヨーロッパでは1の潮流、アメリカ合衆国では2の潮流を通常示す[5]

どちらにしても、「自由」というのが重要なポイントです。

日本の「左翼」「リベラル」の変質

現在の日本の「左翼」は、国民のことを考えていないように感じます。また、日本の「リベラル」を見ていると、明らかに他人に自身の考えを押しつけているようにしか見えません。

つまり、現在の日本の「左翼」「リベラル」は、本来の意味での「左翼」「リベラル」ではないと考えます。

なので、自分は「パヨク」「エセリベラルと呼んでいます。

なぜ、日本の「左翼」「リベラル」が変質したのか?

結論から言うと、中国・韓国・北朝鮮在日韓国人朝鮮人の影響だと考えます。

無論、根拠もあります。まず、この画像を見てください。明らかに「簡体字」ですよね。

chinese spy よく「日本人になりすまし」て悪い事をし, 日本人に罪をなすりつけ,「ほら!やっぱり日本人は悪い事をしている!謝れ!」と言っている人達。

こういう「まとめ」もあります。

matome.naver.jp

なぜ、中国・韓国・北朝鮮在日韓国人朝鮮人が活動するのか?

理由をまとめてみました。

中国・韓国・北朝鮮が支援する理由

日本を弱体化させるためでしょうね。なぜ、弱体化させるのかは、複数の理由があります。

中国の理由

日本の技術力を下げることで、中国製品の販路が増え、「一帯一路」の実現性が上がる。

韓国の理由
  • 日本の技術力を下げることで、中国製品の販路が増える
  • 日本に「戦犯国」「強制慰安婦」「徴用工」などという難癖をつけ、金や技術をたかる
北朝鮮の理由

朝鮮半島の統一のためには、在韓米軍・在日米軍が邪魔ですからね。

在日韓国人朝鮮人が活動する理由

これも「たかり」の構図だと考えます。特に「参政権」を狙っているのだと考えます。「参政権」を取り、意のままにできる議員を送り込んだら、「生活保護」「補助金」など「たかり」放題でしょう。こんな例もあります。

forbesjapan.com

ヘイトスピーチなど差別的な言動を禁止するため、全国で初めて刑事罰を盛り込んだ条例案が12月12日、川崎市議会で可決、成立した。市の勧告や命令に従わず、差別的な言動を3度繰り返した場合、最大50万円の罰金を科すことになると、Forbes JAPANの速報で伝えた。

ただ、刑事罰が下されるのは、日本以外の国や地域の出身者への差別が対象であり、川崎市が行ったパブリックコメントでは、「日本人に対するヘイトスピーチはなぜ含まれないのか」と、疑問の声が多く寄せられた。

 

こんな「左翼」「リベラル」を支持できますか?

要するに、「左翼」「リベラル」は、在日外国人に乗っ取られている可能性が高いと考えます。そんな「左翼」「リベラル」を支持できますか?自分には無理です。

 

【グルメ】「大阪のお好み焼き」は韓国起源!?【韓国】

 先日、「名古屋のお好み焼き」について、まとめました。

rkm.hatenablog.com

しかし、ある疑問が残りました。それについて、調べてみました。

「大阪のお好み焼き」だけが「混ぜ焼き」なのはなぜ?

前回の記事でも提示した疑問です。

名古屋・広島に挟まれた「大阪のお好み焼き」だけが「混ぜ焼き」なのは、なぜなんでしょうか?

この記事では「どんどん焼き」の影響を受けているという説を採ってますが、「どんどん焼き」は重ね焼きらしいので、ちょっと違う気がします(「もんじゃ焼き」の影響なのだろうか?)

news.mynavi.jp

また、次の記事に気になるコメントがついていた。

jpnculture.net

大阪のお好み焼きは、具材を混ぜ込んで作るようにいわれていますが、私67才の子どもの頃から、近所にあったすべての店では今で言う広島式で作られていました。ですから、今の大阪の人達が「広島風なんてお好み焼きと違う」等の発言を聞くと、「いや、あれこそがお好み焼きやで」と言いたくなってしまいます。 私の町では(生野区)今でも、2軒のお店が粉をひいてキャベツを乗せたお好み焼きで、賑わっています。他にも探せば何軒かはあると思います。 広島風などと言わず、あの作り方が主流だったこともあると、どなたか伝えて頂けないでしょうか。

 このコメントが事実とすると、現在の「大阪のお好み焼き」は「どんどん焼き」「一銭洋食」から発展した「お好み焼き」とは別の料理なのではないか?という疑問が生まれました。

 

「大阪のお好み焼き」は韓国起源!?

 同じようなことを考えた人はいるようで、以下の記事が見つかりました。

sirabee.com

日本で有名なお好み焼きの二大巨頭といえば「広島風お好み焼き」と「関西風お好み焼き」である。

どちらも美味しい日本の庶民的グルメとして知られているが、それに納得がいかないというのは、広島県在住の山本さん(仮名)。

彼いわく、「関西風のお好み焼きはじつは韓国起源で、起源の捏造で日本一になった食べ物」で、真の日本発祥のお好み焼きは広島風なのだという。

そして(なぜか元記事が削除されているが)続編の記事がありました。

news.merumo.ne.jp

ただ、この記事を出している「しらべぇ」は、「あやしい記事」(というか「明らかなねつ造記事」)が、たびたび混じるので、記事内容の裏を取ってみます。

2つの記事は「大阪のお好み焼きは韓国起源」「東京のお好み焼きは韓国起源」→「混ぜ焼きのお好み焼きは韓国起源」という根拠として、以下の項目を挙げています。

  1. 粉と具材を混ぜて焼く文化が日本にない
  2. 大阪のお好み焼き屋はほとんどの店にキムチが置いてある
  3. 最初に現代のような形の関西風お好み焼きを出したのは東京の店

 なんか、すでに怪しげなにおいがプンプンしてます。

粉と具材を混ぜて焼く文化は日本にあるのか?

まず「粉と具材を混ぜて焼く文化が日本にない」についてですが、「日本コナモン協会」の情報を確認しました。現代では、混ぜ焼きする料理は「もんじゃ焼き」と「大阪のお好み焼き」(混ぜ焼きのお好み焼き)だけのようです*1

konamon.com

ほかにも長野の「おやき」なども考えましたが「粉と具材を混ぜて焼く食べ物」ではないですね。

もんじゃ焼き」の成立は「お好み焼き」より遅い?

引用記事は「もんじゃ焼き」について、以下のように書いています。

もんじゃ焼きも当時はうどん粉を水で溶いて焼くだけのもので、具を混ぜて焼くようになったのは昭和30年代後半からと言われています。

 これについては、裏付けになる記事がありました。

tripeditor.com

近代食文化研究会『お好み焼きの物語』(新紀元社)を読むと、現在の月島で盛んに食べられている、野菜で土手を作ってその中に汁を流し込むスタイルのもんじゃ焼きは、戦前には見られなかったという記述があります。

(中略)

駄菓子屋では当時、東京の下町で広く食べられていた「文字(もんじ)焼き」と言われるお菓子が人気を博していました。

文字焼とは、小麦粉やうどん粉を水で溶いた茶わん1杯程度の汁に、黒みつやしょう油を入れ、駄菓子屋で焼いて食べる軽食です。

(中略)

ただ、現地でフィールド調査を行った月島に関する学術論文をいくつか読むと、おぼろげながらも、もんじゃ焼き誕生の歴史は見えてきます。

例えば松島誓子著『中央区月島におけるもんじゃ屋の集積プロセス』(2000年)によると、大正時代の月島には131件の駄菓子屋があり、子どもたちは文字焼を大いに楽しんでいたと言います。

<彼らが1940年代から大人向けのお好み焼屋で合わせてもんじゃを出し始めた。アルコールをメニューに入れることで、子供の駄菓子だったもんじゃが大人の食べ物へと位置づけが変わった>(上述の論文より引用)

つまり、もんじゃ焼きは、お好み焼きのサイドメニューとして出されたとの話。

お好み焼きは新紀元社お好み焼きの物語』によると、明治末期にはすでに東京で大ヒットしており、大人がお店で焼いて食べるといったスタイルができあがっています。

そのお好み焼き屋の鉄板を使って、サイドメニュー的に文字焼を懐かしんで出したのだと考えられますね。

 ということは、もんじゃ焼き」の成立は「お好み焼き」より後ですね。

大阪のお好み焼き屋はほとんどの店にキムチが置いてある?

「しらべぇ」の記事に戻って、「大阪のお好み焼き屋はほとんどの店にキムチが置いてある」について、考えてみます。記事には、以下のように書いてあります。

「大阪のお好み焼き屋はほとんどの店にキムチが置いてありますが、広島のお好み焼き屋でキムチを置いてあるところはあまりありません。

豚キムチ焼きなどお好み焼きにキムチを入れて焼く料理も関西風お好み焼きにはたくさんありますよね。これは関西風お好み焼きは韓国人が作ったからだと推測されます。

島風お好み焼きにもトッピングでキムチは確かにあるのですが、これは客の好みに合わせて置いてあるだけでしょう。カクテキやオイキムチまで置いてあるお好み焼き屋は広島にはほぼ無いですよ。」

ただ、この部分全体が広島県在住の山本さん(仮名)」が、個人的な感想を言っているだけで、具体的な根拠は示されていません。

また、「キムチが置いてある」ことと「大阪のお好み焼きは韓国起源」ということは、直接の関係性がありません。なので、理由にはなりません。

 最初に現代のような形の関西風お好み焼きを出したのは東京の店?

「しらべぇ」の記事では、以下のことも言ってます。

「最後に、関西人はお好み焼きを大阪発祥のように言っていますが、最初に現代のような形の関西風お好み焼きを出したのは、昭和12年に東京で創業した『浅草染太郎』です。

浅草の「染太郎」のメニュー記事に、こんな記述がありました。

travel-noted.jp

染太郎ではお好み焼きやもんじゃ焼き、おつまみメニューなど様々なものがありますがその中でも特に人気が高いおすすめのメニューを紹介します。まず最初は店名にもなっている「お染め焼き」です。

 お染め焼きは他のお好み焼きとは違い、焼きそばも半熟卵も入っており染太郎のメニューを一枚でしっかりと味わうことができると人気です。染太郎に初めて行かれるという方にもおすすめのメニューです。

お染め焼きの作り方ですが、まず生地を薄く延ばしその上にキャベツやひき肉、げそや海老をのせます。その上に、ウスターソースで味をつけた焼きそばを置き、中央にくぼみをつけてその中に卵を割り入れます、

 卵を割り入れたあとはひっくり返して3分ほど待ち、その後さらにひっくり返して2分ほど待つと完成します。お好み焼きも焼きそばの麺も、卵も楽しむことができるお染め焼きは食べごたえもあり様々な食感を一口で楽しむことができます。

travel-star.jp

浅草・染太郎へ行ったら欠かすことのできない人気メニューがお染焼きというメニューです。通常のお好み焼きに少しだけ焼きそばの入ったお染焼きは、卵を混ぜずに目玉焼きのような状態で生地と一緒に焼くというこだわりが。

 ある程度生地が焼けてから焼きそばを乗せて焼くので、ひっくり返したときに鉄板で焼かれた焼きそばがカリカリとした食感が楽しく、最後まで飽きずに食べることができます。
 小麦粉やキャベツという基本の材料は同じでも、全ての具材を混ぜてから焼くタイプのお好み焼きとは一味も二味も違った食感と味はやみつきになること間違いなし。

あれ?これは「重ね焼きのお好み焼き」ですね。ということは、「染太郎」の開店時点では「重ね焼きのお好み焼き」を出していた可能性が高いのではないでしょうか*2

風流お好み焼 染太郎
〒111-0035 東京都台東区西浅草2-2-2
2,000円(平均)1,000円(ランチ平均)
r.gnavi.co.jp

となると、「混ぜ焼きのお好み焼き」は、大阪起源の可能性もあると考えられます。

「しらべぇ」の記事の真偽は?

結論から言うと「ほぼ信憑性はない」と考えられます。理由としては、以下のことがあげられます。

  • 「大阪のお好み焼きは韓国起源」「東京のお好み焼きは韓国起源」→「混ぜ焼きのお好み焼きは韓国起源」の具体的根拠がない
  • 「混ぜ焼きのお好み焼きは東京起源」と主張がすり替わっている

主張がすり替わっている根拠は、2番目の記事にある

広島県民の男性が言っていた「韓国起源の混ぜ焼きのお好み焼き=東京の素人が自分で焼くお好み焼き」といった可能性が出てきた。

という一文です。その後、在日韓国人が経営する店の話とか出ますが、全く「起源」の話とは関係ありません。そして、最後の段で、

東京は当時の「洪 思翊」陸軍中将など朝鮮出身の司令官がいるなど、戦時中から貴族階級の朝鮮文化を取り入れやすく、戦後には在日韓国人が起業した会社も少なくなかった。

きっと大阪に比べキムチも食べられていたし、チヂミの作り方を知っている朝鮮の料理人もいたはずだ。

そして時が経ち食糧事情も改善したころ、素人が焼く下手さを東京に集まるさまざまな食材を使い、チヂミのように最初から混ぜることで美味しさをカバーした、『東京風お好み焼き』が生まれたのではないだろうか

と、ぱっと見でも根拠のない主張でごまかしてます。

ということで、「ほぼ信憑性はない」と考えられます。

戦前の「お好み焼き」の実際はどうだったのか?

この項は明確な根拠がありません。諸説の一つとお考えください。

Wikipediaの「お好み焼き」の項を見ると、大正後期から昭和6年ごろまでに「お好み焼き」という言葉が誕生したようです。

ja.wikipedia.org

なぜ「お好み焼き」という言葉ができたのでしょうか?「客が自分で焼いて楽しむ」「東京の花街において、座敷にしつらえた鉄板で客が自分の「好み」に焼く風流な遊戯料理として誕生した」からという理由があるようですが、それだけではないと考えます。Wikipediaの「どんどん焼き」の項を見ると、以下の記述があります。

ja.wikipedia.org

1931年(昭和6年)頃、東京の屋台や縁日で「どんどん焼き」が評判になった。その後、昭和前期頃までは東京・下町界隈などでもよく見られた。作家・池波正太郎は少年時代に東京浅草在住で、どんどん焼きを実際に多く食べ、その思い出や商品内容を多くの著作に書いている。それら著作によると、当時の商品内容は現在のお好み焼きに近い物の他、食パンを三角形に切ったものへ卵を入れて溶いた小麦粉を塗って焼きウスターソースをかけた「パンカツ」、溶いた小麦粉を小判形にのばした上に牛・豚の生肉薄切りをのせて再度小麦粉を振り乾かないうちにパン粉をかけて両面を焼いた「カツレツ」、溶いた小麦粉を細長く伸ばして豆餅と餡をのせて巻き込んで焼き黒蜜をかける「おしる粉」など、今では余り見られなくなったメニューも多く存在した。

(中略)

どんどん焼きとは鉄板焼き料理全般を指す言葉でもあったようである。

これを見ると、「客が自分で焼いて楽しむ『どんどん焼き』」ということを表現する言葉が必要になったのだと考えます。また、以下の記述もあります。

また浅草の老舗お好み焼き店「染太郎」では、「お染焼」という名称で戦前式の作り方のお好み焼きが販売されており、さらに「パンカツ」や「しゅうまい天」といった独特のメニューが現在も残されている。

「染太郎」の「お染焼き」は「重ね焼きのお好み焼き」でした。ということは、戦前の「お好み焼き」は「重ね焼きのお好み焼き」であったと考えられます。そして、東京から大阪に伝わった「お好み焼き」も「重ね焼きのお好み焼き」であったと考えられます。

「混ぜ焼きのお好み焼き」と「チヂミ」の関係は?

「チヂミ」とは?

 「チヂミ」は、小麦粉などの「粉」と、枝豆やニラ野菜などの様々な魚介類を一緒に入れて焼く「パンケーキの一種」です*3
基本は小麦粉・米粉・水・卵にいくつかの具を入れるのですが、これにキムチが入ったり、海鮮物が入ると「キムチチヂミ」「海鮮チヂミ」などといった、その名が冠された料理になります。「チヂミ」という呼び方は、日本だけの様です。韓国の慶尚地方では昔から「プッチンゲ」のことを方言で「チヂム」と呼んでいました。日本に住む在日韓国人に慶尚地方出身者が多かったため、この料理のことを訛って「チヂミ」と呼ぶようになったという説があります。本来は、「ジョン」であるとか、「ブッチンゲ」という呼び方が主体で、基本的に炒めた汁物の少ない料理という意味があるようです。

 

「チヂミ」(ブッチンゲ)の歴史

 「チヂミ」の歴史には諸説あり、はっきりしません。いくつかの説をあげます。

 ただ、「ジョン」の中には、明らかに「お好み焼き(パンケーキ)」ではなく、「天ぷら」的な料理が含まれてます。

韓国のチヂミ(ジョン)いろいろ! ピンデトック ピンデットッ ヘムルパジョン 韓国のチヂミ 韓国のジョン キムチジョン プチュジョン ブチュジョン キムチチヂミ ニラチヂミ 海鮮ねぎチヂミ カムジャジョン トングランテン トットリジョン メミルジョン マッコリ ブッチムカル チヂミの粉粉モノ

www.seoulnavi.com

「天ぷら」のような「ジョン」は、日韓併合時代に「天ぷら」が原型ではないかとを考えると、「パンケーキ」的な「チヂミ」(ブッチンゲ)は、日韓併合前から朝鮮半島で食べられていたのではないかと考えます。

「チヂミ」(ブッチンゲ)は「混ぜ焼きのお好み焼き」の元になったのか?

この項は明確な根拠がありません。諸説の一つとお考えください。

 「混ぜ焼きのお好み焼き」が出現するまで、日本列島には「 粉と具材を混ぜて焼く文化」がなかったことは間違いないと考えます。一方、日韓併合前より、朝鮮半島には「 粉と具材を混ぜて焼く文化」があったと考えます。この二つから、少なくとも「チヂミ」(ブッチンゲ)が「どんどん焼き」に影響を与えて(融合して?)「混ぜ焼きのお好み焼き」が生まれたのではないかと考えます。

Wikipediaの「お好み焼き」の項には、以下の記述があります。

ja.wikipedia.org

キャベツを用いる混ぜ焼き式の「お好み焼き」は近畿地方を中心に戦後急速に浸透し、全国各地で洋食焼き・どんどん焼きからお好み焼きへと料理の名称と調理法が更新されていった。

 

日本コナモン協会」の情報を見ると、昭和10年代に「生地と具を一つのカップで提供し客が混ぜて焼く方式が出現」とあります。「戦後急速に浸透し」ということは、「混ぜ焼きのお好み焼き」は、戦中または戦後直後の食糧難の時期に成立したのではないかと考えます。

ここまでのまとめ

 「どんどん焼き」と「大阪のお好み焼き」は関係あるのか?

「大阪のお好み焼き」は、豚肉など一部の具は練り込まずに、生地の上にのせて焼きます。また、「大阪のお好み焼き」のメニューには「モダン焼き」があります。このメニューは、「混ぜ焼きのお好み焼き」に「中華そば」または「うどん」を載せたものです。これらは「重ね焼き」の要素も持っていると感じます。これは、同じ重ね焼きである「どんどん焼き」の影響ではないかと考えます。

ざっくりとした「お好み焼き」の歴史

ここまでの内容から考えると、「お好み焼き」「もんじゃ焼き」の歴史は、次のようになると考えられます。

「混ぜ焼きのお好み焼き」は「大阪起源で東京などに伝わった」ということでしょう。

 

 

*1:「たこ焼き」は「粉と水を混ぜた液体」を鉄板に流し、具を入れているので「粉と具材を混ぜて焼く」とは違います

*2:お染焼きを「混ぜ焼き」している記事「江戸川乱歩や渥美清が通ったお好み焼き屋!浅草「染太郎」 | icotto(イコット)」もあります

*3:お好み焼き」もパンケーキの一種です

*4:「キムパプ」「キムパ」「キンパ」←「海苔巻き」のように日韓併合時代に伝播した料理は存在する

*5:「キムパプ」は酢飯ではないので「寿司」とは別物

【政治】「文春砲」の大嘘?本当に「イージス・アショアのレーダーは使い物にならない」のか?【マスコミ】【軍事】

 週刊文春が、イージス・アショアに使用予定だったレーダー「SPY-7」に関する防衛省の内部文書に関する記事を出してきました。

bunshun.jp

しかし、そもそもイージス・アショアの根幹をなすミサイルの迎撃機能に疑義を呈する報告書が、昨年3月、防衛省の官僚によって作成されていたことが、「週刊文春」の取材でわかった。

(中略)

週刊文春」が入手したのは、昨年3月下旬に、防衛官僚が渡米し、ロッキード・マーチン社を視察した際の報告書。A4判2枚にわたるもので、次のように記述されていた。

〈LRDR自体には射撃管制能力は無い〉

 イージス・アショアに採用される予定だったロッキード社製のレーダー「LMSSR」(以下SSRと記す。通称SPY-7)は、LRDRの派生型であり、性能的にほぼ同一とされる。

(中略)

海上自衛隊の元海将で、弾道ミサイル防衛にも深く関わってきた伊藤俊幸・金沢工業大学虎ノ門大学院教授が解説する。

「射撃管制能力というのは迎撃ミサイルを目標に誘導する能力です。イージス・システムにおけるレーダーには、飛んでくる弾道ミサイルを探知、追跡し、迎撃ミサイルをそこへ誘導して、目標へ衝突させる能力が必要です。通常の軍艦では、レーダーはあくまでも“目”であり、目標へ自らの武器を誘導する“神経”となる射撃管制システムは別にありますが、最新のイージス・システムではそれが一体化しています。例えば、米海軍のイージス艦が搭載予定の米レイセオン社のSPY―6はもちろん射撃管制能力を備えたレーダーです。にわかには信じがたいのですが、もしロッキード社のSSRに本当に射撃管制能力がないのであれば、イージス・システムとして機能させるためには、追加で“神経”となる別システムを組み合わせる必要が生じ、さらにコストがかかる」

事実なのか?どうもあやしい記事だなあ・・・ということで調べてみました。

「射撃管制能力」とは?

長くなりますが、Wikipediaの記事を引用します。

ja.wikipedia.org

射撃統制システム(しゃげきとうせいシステム、英語: fire control system, FCS)は、射撃統制を行うためのシステム。射撃指揮システム、射撃管制システム、射撃統制装置、射撃指揮装置、射撃管制装置、射撃指揮管制装置とも称される。海戦分野では射撃指揮システム、陸戦分野では射撃統制システム、航空戦分野では火器管制システムと称されることが多い。

(中略)

射撃統制とは、目標に対して効果的な射撃を行うために,観測具,照準具,測定具などの器材を用いて,目標の捜索・探知・捕捉・追尾から弾丸を発射するまで,人員及び火器を含めた器材の一連の動作をまとめること、とされる。

移動目標に対して火器システムで交戦する場合、一般に次の6つの段階を経ることになる。

1. 目標の捜索(search)、探知(detection)
2. 敵味方の識別(identification)
3. 目標の捕捉(acquisition)、追尾(tracking)
4. 未来位置修正角(prediction angle)の算定
5. 火器の軸線(weapon line)の設定(射線の付与)
6. 射撃

このうち、「目標の捜索・探知」から「未来位置修正角の算定」までが射撃統制の基本要素である。また射線の付与まで包括する場合や、更に射撃に関して、その時間や弾量、弾丸の爆発を制御する場合もある。更には、射撃後にその効果を評価し、次の射撃に反映する場合もある。

(中略)

水上艦搭載FCS(射撃指揮システム)は、陸上目標に対する火砲およびミサイル発射機、水上目標に対処する火砲・ミサイル発射機および魚雷発射管、水中目標に対処する対潜迫撃砲および魚雷発射管、ならびに空中目標に対処する火砲およびミサイル発射機の射撃を統制する。

陸上・水上および空中目標の捜索・追尾のためのセンサは、主として電波機器が使用されており、その要領は陸上および車両搭載FCSと同様である。一方、水中目標の捜索・追尾のためのセンサは、一般にソナーが使用されている。

 文春記事の「射撃管制能力」というのは、「射撃統制機能」「射撃指揮機能」という意味なんでしょうね。

SPY-1を使用した(現行)イージスシステム

 現在、海上自衛隊に配備されているイージス艦(DDG)の「イージスシステム」は、SPY-1を使用しています。このシステムの構成と「射撃指揮機能」をまとめてみます。

ja.wikipedia.org

イージス武器システム (AWS) を搭載する艦(イージス艦)のすべての武器システムは、イージスシステム (AWS) を中核として連結され、システム艦を構築して、艦全体の戦闘を有機的に統括している。この統合戦闘システムをイージス戦闘システム(ACS)と通称する。

(中略)

多機能レーダーとしては、従来、一貫してAN/SPY-1が搭載されてきた。これはイージス武器システムの中心であり、多数目標の同時捜索探知、追尾、評定、発射されたミサイルの追尾・指令誘導の役目を一手に担う多機能レーダーである。

(中略)

指揮決定システム(C&D)
従来のNTDSないしCDS戦術情報処理装置を代替するもので、SPY-1レーダーやソナー、データリンクなどからの情報を総合して、周囲の目標について、その脅威度や攻撃手段などを自動で判断する。これにより、目標への対応についての判断において、処理時間が飛躍的に短縮された。巡洋艦ではMk.1、駆逐艦ではMk.2が採用されている

(中略)

スタンダード艦対空ミサイルによる攻撃を直接になうのが射撃指揮システム(FCS)で、現在に到るまで一貫してMk.99が用いられている。スタンダード艦対空ミサイルは、慣性誘導・指令誘導に従って飛翔したのち、最終的にセミ・アクティヴ・レーダー・ホーミングによって誘導されて目標を撃破するが、このときに目標の捕捉を行なうイルミネーターであるAN/SPG-62も、Mk.99射撃指揮システムの一部を構成している。

 注)目標の「評定」(価値や品質を調べて評価を定めること)は「指揮決定システム(C&D)」で行うので、多機能レーダーの機能に「評定」が含まれるのは誤りだと思われる。

射撃指揮システム(FCS)に「現在に到るまで一貫してMk.99が用いられている」ということは、SPY-1に「射撃指揮機能」が一体化されているとは言えないですね。つまり、文春記事の

通常の軍艦では、レーダーはあくまでも“目”であり、目標へ自らの武器を誘導する“神経”となる射撃管制システムは別にありますが、最新のイージス・システムではそれが一体化しています。

 というのは誤りですね。では、

スタンダード艦対空ミサイルは、慣性誘導・指令誘導に従って飛翔したのち、

この「指令誘導」は「セミアクティブ・レーダー・ホーミング(英語: Semi-active radar homing, SARH)」なので、目標を照射したSPY-1の電波(反射波)をミサイルが受信して、反射波放射源を追跡することです。

 本当に「SPY-7には射撃管制能力は無い」のか?

 

 結論から言ってしまうと、

〈LRDR自体には射撃管制能力は無い〉

は、事実だと考えます。しかし、全く問題ありません

SPY-1・SPY-6・SPY-7(などの多機能レーダー)は、目標を探す「目」であり、ミサイルを誘導する「口」ですが、射撃管制する「神経」は別にあるからです。

もしロッキード社のSSRに本当に射撃管制能力がないのであれば、イージス・システムとして機能させるためには、追加で“神経”となる別システムを組み合わせる必要が生じ、さらにコストがかかる」

この部分は嘘ですね。元々、多機能レーダーとは別に射撃指揮システム(FCS)を用意する必要があります。

 

なぜ、こんな「大嘘」記事が出てきたのか?

この項は、自分の想像です。

こんな内容の記事になったのは、「火器管制レーダー機能」(追尾レーダー機能)と「射撃統制機能」「射撃管制機能」を混同したためではないかと考えます。

ja.wikipedia.org

火器管制レーダー(かきかんせいレーダー、英語: fire-control radar, FCR)は、射撃統制システムで用いられるレーダー。アメリカ海軍では、軍用の追尾レーダーのほとんどが火器管制レーダーであるとして、この両者を同義として扱っている。

ja.wikipedia.org

追尾レーダー(英語: tracking radar)は、目標を追尾するためのレーダー。狭義には、単一の目標に対してアンテナビームを連続的に指向することで、高精度の目標情報を得るレーダーを指す。

SPY-1・SPY-6・SPY-7(などの多機能レーダー)は「追尾レーダー」です。したがってアメリカ海軍は「火器管制レーダー」として扱っていると考えます。

なぜ混同が起きたかというと、2018年12月20日に発生した「韓国海軍艦艇による火器管制レーダー照射事案」の報道が影響していると考えます。

www.mod.go.jp

防衛省自衛隊は「火器管制レーダー」の用語を使ってますが、マスコミ報道では「射撃統制レーダー」もありました(というか、そちらのほうが多かった気がする)。そこから「レーダーの射撃統制機能」という(あり得ない機能の)概念が発生したのではないかと考えます。

「イージス・アショアのレーダーは使い物にならない」?

文春の記事から、追加で引用します。

イージス・システムが機能しなければ、当然、弾道ミサイルを迎撃することはできない。報告内容が事実なら、イージス・アショアは、弾道ミサイル迎撃が困難だったことになる。

ここまでまとめたように、「報告内容が事実」なのは確かですが「イージス・システムが機能しない」ことはないので、「イージス・アショアは、弾道ミサイル迎撃が困難だった」という結論は、誤りですね。それとも「誤った結論」に導く「文春の陰謀」なんでしょうか・・・

少なくとも「イージス・アショアのレーダーは使い物にならない」とは言えないですね。

追記(2020/06/26)

その1(スタンダードミサイルの誘導について)

Wikipediaの「Mk.99ミサイル射撃指揮装置」の項を見ていたら、こんな記述を見つけました。

ja.wikipedia.org

Mk.99 ミサイル射撃指揮装置英語: Mark 99 Guided Missile Fire Control System, 略称Mk.99 GMFCS)は、アメリカ海軍ミサイル射撃指揮装置である。

Mk.99 GMFCSは、イージスシステムを構成するシステムの一つで、RIM-66 SM-2MRもしくはRIM-156 SM-2ER ブロックIVRIM-174 SM-6セミアクティブ誘導モード時のみ)、RIM-162 ESSMの終末誘導に用いられる。

あれ?「RIM-161スタンダード・ミサイル3」は?

ということで、「RIM-161スタンダード・ミサイル3」の項を確認しました。

ja.wikipedia.org

第三段が切り離されると、軽量大気圏外迎撃体(LEAP)キネティック弾頭(KW)が艦からの座標情報を基に目標を探索する。キネティック弾頭のセンサーが目標の最も脆弱な箇所を探知し、軌道修正・姿勢制御装置(DACS)が弾頭に取り付けられた複数の噴射口からガスを噴射し目標の箇所に誘導される。第三段が切り離されると、軽量大気圏外迎撃体(LEAP)キネティック弾頭(KW)が艦からの座標情報を基に目標を探索する。キネティック弾頭のセンサーが目標の最も脆弱な箇所を探知し、軌道修正・姿勢制御装置(DACS)が弾頭に取り付けられた複数の噴射口からガスを噴射し目標の箇所に誘導される。

つまり「最終誘導」は「弾頭」が行うので、「射撃統制機能」による「最終誘導」は不要ということですね。

ということは、「イージス・アショア」で「RIM-161スタンダード・ミサイル3」だけを運用するなら、「イルミネーター」は不要ということですね。逆に、「RIM-161スタンダード・ミサイル3」だけじゃなく、対空戦闘用に「RIM-156 スタンダード・ミサイル-2ER ブロックIV」などを運用するなら、「イルミネーター」が必要ですね。

その2(SPY-6の「射撃管制機能」)

文春記事の以下の部分について、確認しました。

例えば、米海軍のイージス艦が搭載予定の米レイセオン社のSPY―6はもちろん射撃管制能力を備えたレーダーです。

SPY-6の「射撃管制機能」「射撃管制能力」ですが、「イルミネータ機能」のことではないかと考えました。そのあたり、情報が非常に少ないですが、見つかりました。

tokyoexpress.info

SPY-6は、2種のレーダーとコントローラー(RSC=radar suite controller)で構成される。”Sバンド“レーダーは、全天をくまなく捜査、敵ミサイルの追跡と情報伝達を行い、”Xバンド”レーダーは水平線近くの探索、精密な追跡、友軍ミサイルの誘導・通信とターミナル段階で目標の位置照射を行う。

「ターミナル段階で目標の位置照射」が「イルミネータ機能」に当たりますね。

これで、アメリカ海軍がSPY-6を選択した理由がわかりました。「SPY-1」を「SPY-7(またはSPY-6)」に換装するのではなく、「Mk99+SPY-1+AN/SPG-62」の構成を「Mk99+SPY-6」に変更するということですね。

 

【グルメ】「なごやめし」と認知すらされてない「名古屋風お好み焼き」【テイクアウト】

先日、「なごやめし」に関する記事を書きました。

rkm.hatenablog.com

それとは別に、ニュースアプリ(スマートニュース)を見ていたら、お好み焼きの発祥に関する記事がありました。

jpnculture.net

そこで思い出したのが(「大阪のお好み焼き」に駆逐されつつある)「名古屋風お好み焼き」の存在です。ちょっと、「名古屋風お好み焼き」についてまとめてみたいと思います。

 これは、「大阪のお好み焼き」。

 こちらは、「広島のお好み焼き」。

「名古屋風お好み焼き」の特徴

「名古屋風お好み焼き」は、生地だけを薄くのばしてクレープ状に焼き、上からキャベツを乗せて、その上から色々な具を乗せて、それから再度生地をかけて、ひっくり返して焼きます。ソースは、サラッとしたウスター系のソースをかけます。そのため、作り方は「広島のお好み焼き」と同じ「重ね焼き」なのですが、再度生地をかけて、ひっくり返して焼くので、ぱっと見の焼き上がりは「混ぜ焼き」そっくりです。

r.gnavi.co.jp

お好み焼き」の歴史

諸説ありますが「お好み焼き」の歴史を、簡単にまとめてみます。

お好み焼きの直接の先祖は、「もんじゃ焼き」から派生した「どんどん焼き」のようです。このとき「重ね焼き」に変化したようです。この「どんどん焼き」が西日本に伝わって「一銭洋食」ができたようです。これが大正時代のことです。

お好み焼き」という言葉ができたのは、昭和初期のようです。そのころ、大阪に「お好み焼き」が伝わったようです。

一方、「広島のお好み焼き」が今の形になったのは、戦後の混乱期のようです。

fundo.jp

「大阪のお好み焼き」だけが「混ぜ焼き」なのはなぜ?

ここで疑問です。名古屋・広島に挟まれた「大阪のお好み焼き」だけが「混ぜ焼き」なのは、なぜなんでしょうか?

この記事では「どんどん焼き」の影響を受けているという説を採っているが、「どんどん焼き」は、重ね焼きらしいので、ちょっと違う気がします(「もんじゃ焼き」の影響なのだろうか?)

news.mynavi.jp

また、次の記事に気になるコメントがついていた。

jpnculture.net

ちょっと、これについては、別記事で追いかけてみたいと思います。

「名古屋風お好み焼き」の変化

1980年頃から「名古屋風お好み焼き」は、二つ折りにしてアルミ箔を巻くことで、テイクアウトできるようにしてお好み焼きを販売するよう変化したようです。携帯食にできることはもちろん、家庭で調理し弁当にすることもでき、お店で食べることを前提とした一般的なお好み焼きとは独特の進化を遂げてます。パックではなくアルミホイルで、片手で食べられるというのが強みですね。

j-town.net